お寺のホームページの可能性
皆さんのお寺では、自分のお寺のホームページに満足していますか?
ホームページは万能じゃありません。
できること、できないことを見極め、目的をはっきりさせて制作することが、ホームページ運営の秘訣です。
ホームページの目的
企業がホームページをつくる場合、目的は大きく分けて2つあります。
一つ目は、広報活動の一環です。
その企業について知りたい人に、ホームページを通して詳しく情報を伝えるという目的です。
もう一つは、営業・販売です。
ホームページを通して、何らかの形で、営業的な効果をもたらすということです。
ホームページを見て店に来てもらったり、ホームページを通して商品を買ってもらったり、ということです。
どちらにせよ、ホームページが得意な分野は、不特定多数を対象にした活動であることも忘れてはなりません。
広報ツールとしてのホームページ
振り返ってお寺のホームページを考えたとき、その目的は何なのでしょうか。
多くのお寺が目的としているのが広報活動です。
より多くの人に、お寺のことを知ってもらうための情報提供です。
しかしここで問題なのは、そのお寺のことを知りたい、と考える人がどのくらいいるのか、ということです。
檀信徒ならば、おそらく1回くらいは見るでしょう。
しかし、一度目をとおしたら、再び見ることは無いでしょう。
いくら内容を更新しても、更新していることが伝わらなければ、あえて再びホームページを見ようとしません。
また、檀信徒以外の人が何か目的を持って、特定のお寺のホームページにたどりつくことも考えにくいです。
そこのホームページにたどり着くには、どんなキーワードを検索すればいいのでしょうか?
また、そのキーワードはどんな目的で検索するのでしょうか?
観光寺院ならば、検索するキーワードは豊富にあり、ホームページが力を発揮します。
もちろん、多くの寺院には、それぞれ由緒があって、それぞれの伽藍や仏像などの文化財、地域での役割があり、それもキーワードになります。
坐禅会や写経会、法話会などに、より多くの人が参加してもらいたい場合も、ホームページは有効です。
逆に、あまり効果を発揮できないホームページは、「何を広報したいのか」が明確でないのです。
ホームページは、広報活動においてとても役に立つツールですが、「何を広報したいのか」が明確でないと、その役割は果たしにくいということなのです。
布教ツールとしてのホームページ
また、営業活動という目的はどうでしょうか?
お寺にとって営業活動とは、布教活動のことに他なりません。
つまりホームページを通して不特定多数の人を対象に布教を行うということです。
もちろん、お寺に行って仏教と接したいというニーズはあります。
しかしここで問題となるのは、やはり、お寺のホームページにどうやってたどり着くかと言うことです。
どんなキーワードで検索するのか、と言い換えてもいいと思います。
それは「お墓」でしょうか?「お葬式」でしょうか?
それとも「仏教」でしょうか?「教え」でしょうか?「天台宗」「真言宗」「浄土宗」「浄土真宗」「曹洞宗」「臨済宗」「日蓮宗」でしょうか?
お墓をインターネットで探す人はいるでしょうが、石材店のホームページにアクセスするのが一般的です。
また、お葬式でお経をあげてくれるお坊さんをインターネットで探す人は、ほとんどいないでしょう。
仏教や宗派の教義について知りたくてホームページを見る人はいるでしょうが、そこから教化布教につなげるためには、相当に力のある文章が無いと難しいでしょう。
つまり実際には、布教活動のツールとしてのホームページも、簡単ではないのが現実です。
効果的なホームページとは?
私がこれまで見た範囲では、効果をあげているホームページと思えるのは、次にあげるいくつかの方向性です。
ひとつは、祈祷などを広報するホームページ。
もうひとつは、永代供養墓を広報するホームページ。
この二つの特徴は、不特定多数を対象にしているといことです。
そもそも檀家寺の活動は、檀信徒のみを対象としているため、ホームページがそのポテンシャルを発揮しづらいのです。
しかし、祈祷や永代供養墓は、不特定多数を対象にしているため、ホームページが効果をあげやすい、ということです。
他にも、ブログなどで一定の効果をあげている寺院もあります。
ブログの場合は、興味を持ってもらえる内容を書き続けることさえできれば、なかなか可能性の大きいツールです。
他にもいろいろと可能性はあると思いますが、まだまだ仏教界では、充分に使いこなされてはいないのが現実です。
どちらにせよ、ホームページを制作する時には、どんな目的を持って制作するのか、そして、その目的がホームページによって実現可能なのかを充分に考えてから始めることが大切です。
「ホームページで何かできないかな?」では、いつまでたっても何の成果もあがらないでしょう。
逆に、目的が明確であれば、その目的を達成する方法は必ずあるのです。
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