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コロナ禍の今こそ、檀家に電話をかけてみる


 
寺院活動を直撃するコロナ禍
 
新型コロナウイルスの感染が広がっていることで、仏教界でも様々な影響が出ています。
例えば、年忌法要などは激減しており、ウイルス感染者の多い東京などでは、確実に9割は減っているようです。また、これからお盆や施餓鬼の季節がやってきますが、その行事そのものも、取りやめか、参列者無しを検討しているのが現実です。
 
仏教界でもテレワークが話題
 
そんな中、仏教界でも、テレワークの議論が盛んになってきました。特に、スカイプやZOOMなどの仕組みを使い、オンラインで檀信徒と会話やコミュニケーションをしようというものです。そして仏教å界特有の議論として、対話や打ち合わせに利用しようというだけでなく、法要の中継を行ったり、セミナーや坐禅会をインターネットを通じて行おうというものも出ています。
 
不安が広がる中の賛否両論
 
もちろんそれに対しては賛否両論で、「そんなことが受け入れられるわけが無い」「やっても意味ないでしょ」「儀式の価値を下げてしまう」という意見もあれば、「会うのは控えなければならないのだから、やらないわけにはいかない」「むしろこれからは、こうした新しいテクノロジーを取り入れるべきだ」「今、これをやらないお寺は、取り残されるだけ」というような意見が見られます。
個人的には、そんなに受け入れられるとは思えませんが、チャレンジすること自体は悪くないとは思います。
ただ僧侶の方々の中には、この「これからは、web利用があたりまえ」という論調に違和感を感じる人も少なくないんじゃないかと思います。
それは当然で、宗教は人と会うという対面を大切にしてきたわけだし、リアルでないと伝えられないものがあります。
そもそも私は、お寺の活動に、こうした新しい方法を取り入れようが、取り入れまいが、そう大きな違いはないと考えています。
もちろん、人と会うということを控えざるを得ず、その結果、年忌法要が激減し、月参りや棚経も難しいという現実を前に、このまま何もしないでいると、「このままでいいのか?」という不安になってしまうのは当然です。その不安が、「何かしなくちゃ」という思いを生み、その答えをインターネットに求めてしまうのかもしれません。
 
Webでの対話を受け入れるのは一部の人だけ
 
私は、こうした状況だからこそ、昔ながらの方法が生きると思っています。なぜなら、そのほうが、人々に受け入れられやすいからです。
そのひとつが「電話」です。住職が檀家に、片っ端から電話をかけてみたらどうかと思うのです。「だいじょうぶですか? コロナの影響ありますか? 不安なことはありませんか?」と。
インターネットでの対話や中継は、相手がある程度、関係性ができていないと難しいものです。ということは、お寺として話のしやすい人だけコミュニケーションをするという結果になってしまいます。
結局、仲のいい内輪の人だけで、小さくまとまってしまう可能性が高いでしょう。
 
電話は誰とでも対話できる
 
一方、電話は、ちょっとだけ勇気をだせば、どんな家に対しても、「だいじょうぶですか?」とかけることができます。お寺から心配されて、いやな人はいません。心配してもらって、喜ぶ人が多いはずです。むしろ、普段つきあいの薄い人にこそ電話をかけたほうがいいと思います。
そして、こんな時期だからこそ、いろんな悩みがあるはずです。お墓や仏事の心配もあれば、生活の不安、心のモヤモヤやイライラ、仕事の悩みなどもあるかもしれません。そうした悩みを聞いてあげるチャンスでもあります。またそれは、檀信徒がどんなことを考えているかを探る市場調査でもあるのです。
 
電話をかけるのに、ちょうどいい理由がある
 
なにしろ、みなが不安になっている時期であって、電話をかける理由があります。何も理由が無いのに電話をかけるわけにはいきませんが、今なら、突然、電話がかかってきても、変に思われることはありません。
こうした時期だからこそ、電話をかけやすいのです。「どうですか、コロナでいろいろ不安じゃないですか」と。むしろ、こんな時じゃないと、理由も無しに、電話をかけることなんかできません。
中には電話が長くなる人もいると思います。でも、今なら、こちらも時間に余裕があるはずです。
 
電話の「ささやき効果」
 
余談ですが、昨年、NHKの「ためしてガッテン」という番組を見ていたら、受話器を耳につけて相手の声を聞く電話には、「ささやき効果」と言って、言葉の説得力が増すということが報告されていました。電話で詐欺にひっかかる人が多いのは、普通なら信用しない内容が、この「ささやき効果」で説得力が増したからという説もあるそうです。
この「ささやき効果」、悪いことに使ってはいけませんが、檀信徒との関係を深めるのに使うのは、とてもいいことだと思います。
 
檀家と関係を深めるチャンスでもある
 
皆が不安になっている今は、むしろ、檀家の人たちと関係性を深めるチャンスであると思います。もう、こんな機会は、二度とこないかもしれません。
こちらから電話をかけて世間話をするのは、どうも苦手だという人も多いでしょう。ただ、この機会に、重い腰を上げてみたらと思います。
電話をかけてよかった、と思うことを、保証します。
 
 

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