お彼岸の中日、浅草の明順寺さんで、
彼岸法要後の講演をさせていただきました。
厳かな法要のあとで、
お話しするのは、ちょっと気が引けるのですが、
せっかくの機会ですので、
ありがたくお話しをさせていただきました。
いただいたテーマは、「これからの葬儀を考える」。
ご住職は、
「最近、家族葬が増えているのはいいのだけれど、
もうちょっと、やりようがあるんじゃないか?
早めに相談してくれたら、アドバイスできたのに」
というケースがあり、
今回の講演が、
檀家さんがお葬式について考える機会になってくれれば、
ということでした。
実際にこれまで、
「家族葬をやりたいけど、どうしたら?」
といった相談をいただいた場合は、
遺族が満足できるお葬式になっているので、
もっと、たくさんの人に相談して欲しいと思うようになったようです。
お葬式については、
檀家さんの関心はとても高く、
話している途中で、質問をされる人がいた程です。
葬儀社の選び方や、葬儀の際に気をつけることなどを
話している時には、
「そうは言ってもね、
いざとなったら、そんな余裕は無いわよ」
という言葉を投げかける方も、いらっしゃいました。
なるほど、その通りで、
だからこそ、いざという時に相談する人の存在が大切だと思います。
とっさに私は、
「そうですよね、だからそんな時には、
住職さんに相談してくださいね」
とお話しをしましたが、
地域社会があまり機能していない現代においては、
住職さんに相談するのが、ほんとうに一番いいと思います。
お寺としても、
日頃から、お葬式の話題を出すなど、
「お葬式について相談にのってもらえる」という雰囲気づくりが、
求められるでしょう。
その意味で、今回の明順寺さんの試みは、
いい広報活動になったと思います。
講演を終えて家に帰ってきたら、
サンケイ新聞の記者から電話があり、
「手元供養について、どう思うか?」とコメントを求められました。
http://sankei.jp.msn.com/life/trend/100322/trd1003221801007-n3.htm
この日、講演で話題となった家族葬のことも、
何となく頭に浮かべながら、
供養がプライベート化しているんじゃないか、と、
お話しをさせていいただきました。
お葬式は、社会的な儀式という面があり、
プライベート化していくのは、
あまり好ましい傾向とは思えません。
しかし、この傾向はこれからも進んでいくことは間違いないでしょう。
その流れを見つめながらも、
お葬式の意味や大切さを説いていくこと、
お寺さんも、その周辺にいる私たちも、
忘れてはならないと思います。